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ライブドア〝謎の自殺〟の「ダ・ヴィンチ・コード症候群」 [Archives]

    

ライブドア堀江〝メンバー〟逮捕に伴う一連の祭りは
ツッコミどころが多すぎてどっから手をつけるか迷うところだが、
『ジェネジャン!!』で「自殺」がテーマだったカラミもあるので
とりあえずこの問題から考えてみる。

    

堀江の元側近・野口英昭氏の「自殺」について
かなり多くの人間が「殺された」と思ってるのでは?

実際この事件が報じられた時、殆どのニュースやワイドショーは
画面の上端に「謎の自殺」とかってサイドスーパーをつけてた。

「自殺」の状況もやたらと不自然だ。
手首以外にも腹とかも切ってたらしいし、
「自殺」したハズの当人が非常ベルまで押してる。

確かにカネが動いてたから、ヤクザだか口封じだか
知らねえが「殺された」のかと勘繰りたくもなる。

が、しかし! 実際どーなのか断言はできねえが
俺は単純に「自殺」だと考えている。

あれこれ詮索して「他殺説」を主張するバカも
多かったりするけど、この一見たくましく見える
想像力こそが、実は想像力の貧困さの表れに
他ならねえように思うのだ。

ダ・ヴィンチ・コード (上)

ダ・ヴィンチ・コード (上)

  • 作者: ダン・ブラウン
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2004/05/31
  • メディア: 単行本

ひとまずこの手のバカを「ダ・ヴィンチ・コード症候群」
と命名してみる。

ぶっちゃけ『ダ・ヴィンチ・コード』は読んでねえのだが、
「聖杯伝説」やら「中世史の謎」やらをつなぎ合わせて
常識を覆す物語は娯楽小説としちゃ面白れえのだろう。

でもそれを中途半端なバカがやると、どーにも興ざめだ。

    

「ダイアナは英国王室に殺された」みてえな論法。
不自然な断片をつなぎ合わせて、都合が悪いトコがある
と「陰謀」ってコトで押し切る。

他にもまことしやか妙な噂が囁かれてたり。例えば…

    

「雅子妃の鬱病はイラクで殺された奥大使が原因」
って噂。それによると…

①外交官当時、雅子妃は留学先のイギリスで
 奥大使と同棲し、婚約までしていた。
②ところが政府の圧力で雅子妃は「未来のお后」に。
③その一方で奥大使はイラクに飛ばされる。
 そしてイラクの反政府ゲリラに見せかけた日本政府の
 差し金で〝口封じ〟に殺された。
④雅子妃は「奥大使が殺されたのは自分のせい」と悩み
 それが原因で鬱状態になった …みてえな話。

ちょっと面白かったので、外務省で奥大使の部下だった
大学の同期にこの件を聞いてみると…
「2人がイギリス行ってた時期は全然別だぞ」

一言で前提が崩れた。何のことはねえ「都市伝説」だ。
ちなみに奥大使は以前から「イラクに行きたい」と主張
されてたそうで「飛ばされた」もウソだそうな。
これじゃ故人も浮かばれねえだろ。

要するに情報の断片を面白おかしくつなぎ合わせて
ストーリーを再構成するのって、実は簡単なのだ。
しかもそこに自然と尾ビレ背ビレもついてくる。

そもそも大抵の人間は情報の裏付けも取らねえ。
足りねえ情報を足りねえ脳ミソでつないで悦に入ってる。
出来上がるのは三流娯楽小説みてえなストーリー。

でもって、ここから本題。
野口氏の「他殺説」にもこれと似たモノを感じるのだ。

確かに「手首以外の切り傷」や「非常ベル」は不自然だ。
しかも「自殺」したのは、ネオバブルの中で肩で風切って
カネ儲けに精出してた何不自由ないエリート。
何ら問題なく成功の道のりを突っ走ってきたポジティブな
サラリーマンが突如死に急ぐのもまた不自然。

だが、この「不自然さ」こそ自殺の本質ではないのか?

『ジェネジャン!!』でも自殺志願者が体験談を語ってた。
「練炭」とか「オーバードーズ」とか「リストカット」とか
それぞれ方法は違うけど、唯一共通してたのは
「うまくやろうとしたができなかった」ってコトだ。

その感覚になったコトない人間はわからねえから
「死にてえならもっとうまくやれよ」とか
「結局死ぬ勇気さえねーんじゃん」とか
テレビ見てツッコミ入れてたんじゃねーか?

これもまた「想像力の貧困さ」だ。
自殺する人間が「よーし今日死ぬ!」って決意して
怠りなく万全の準備して「ハイ決行!」って行くと
でも思ってやがるのか?
それこそマンガだ。作りモノのテレビドラマだ。

また誤解受けるかも知れねえから一応断っとくと
あの番組の「自殺志願者」を肯定する気はない。
「自殺を考える人間は単に意志が弱い」的発想
からの脱却なしに問題解決はねえと言いたいのだ。

野口氏が「自殺」に至る「不自然」なプロセスも
俺には自殺者が辿る「自然な流れ」に見える。

何と言うか? 世界が根底から崩れてく感じ。
何かに圧倒されて自分じゃど−にもならねえ感じ。
自分でもワケわからずトチ狂ったコトしでかす感じ。

で、何が何だかわからねえまま「沖縄に高飛び」だ。

    

遺体が発見された現場は、誰がどう見たって
安手のビジネスホテル。

計画的な「他殺」だとすると、一連の経緯は
合理的に説明されなきゃならねえハズだが、
まずここに彼が出向いた意味がわからねえ。

そもそも殺し屋がいたとしたら、わざわざ沖縄
にロケーションを設定する意味もわからねえ。
殺るなら都内の方がずっと簡単なワケで。

操縦不能の航空機がダッチロール状態で
迷走するように、制御不能に陥った人間が
行き当たりばったりで辿り着いたのが、多分
このホテルと考える方が「自然」だと思う。

で自殺決行だが、ともかくマトモじゃねえから
ワケのわからねえコトを繰り返す。

腹切ったり、非常ベル押すのもある意味当然。
「悪魔」に取り憑かれた奴の行動ってのは、
ハタから見るとホント「トチ狂ってる」のだ。

特に今まで「悪魔」に取り憑かれたコトない
人間ほど、突然検察の聴取なんか受けて
根掘り葉掘りいろいろ問い正されたりすると
信じてた世界が簡単に根底から崩れちまう。

元々自殺に至る人間の行動なんて不合理
だらけなのだ。なのにバカはそこに合理的
行動を持ち込みたがる。
前提が狂ってるから「不自然」は「不自然」
なままの方が実はよっぽど「自然」なのだ。

それをやれ「殺された」だの「口封じ」だのと
言うのは、殺人や自殺が簡単に成功しちゃう
三流サスペンスドラマの見過ぎ。
人間の本性がわかってねえとしか思えねえ。

その意味で、前回の『ジェネジャン!!』見て
「自殺したいなんて言ってる奴はアホ」とか
ヌカして説教タレたがるのも、バカの同類。

それって、「受け売りの答え」じゃねーの?
アタマが三流娯楽小説レベルの安っぽい
思考に毒されて、想像力が貧困になった
結果じゃねーの?

人間は誰でも自殺衝動を持ちうるコトや
自殺を遂げるまでの不可解な行動とかを
想像できてない。物事のウワッツラだけを
ナメて理解した気になってるだけ。

「自分は自殺なんて絶対しねえから」とか
「自殺する奴は一部の例外的な異常だ」
みてえな安易な結論で自分を納得させて
高見の見物を気取って安心してたいだけ。

こうして事件は「謎の自殺」と囁かれ続け
バカはどんどん本質を見誤っていく。


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petrosmiki

追記: 「Aki in the Sky II」さんに回答

結論から言うと俺の同期の指摘は勘違いではない。

そちらが検索してくれた皇太子の発言だが
「奥克彦さんとは同時期に英国に留学していたことを紹介」
って「皇太子と奥克彦さんが同時期に英国に留学してた」
ってコトで「雅子妃と奥克彦さん」ではないと思うのだが?
(元記事が愛子妃の話から突然話題を転換してるので
 文脈的に混同しやすいのも問題なのだが)

俺が調べた限りじゃ
奥大使は1982年から英国オックスフォード留学で
皇太子も1983年から2年間オックスフォード留学。
実際、時期的にかぶってる。

ちなみに雅子妃も留学先はオックスフォードだけど
留学時期は1988ー1990年。
まあ「その時期に1度も雅子妃と奥大使が会って
ない」とまで断言はできねえけどな。
by petrosmiki (2006-02-16 16:25) 

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