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Freakonomics番外編/子供の未来は「誕生日」で決まる? [Archives]

    

If you were to examine the birth certificates of every soccer player in next month's World Cup tournament, you would most likely find a certificate quirk: elite soccer players are more likely to have been born in the earlier months of the year than in the later months. If you then examined the European national youth teams that feed the World Cup and professional ranks, you would find this quirk to be even more pronounced. On recent English teams, for instance, half of the elite teenage soccer players were born in January, February or March, with the other half spread out over the remaining 9 months. In Germany, 52 elite youth players were born in the first three months of the year, with just 4 players born in the last three...

もし君が今度のワールドカップの全選手の出生証明証を検査しなきゃ
ならない立場になったら、奇妙なコトに気付くことだろう。
「早生まれ」の選手がやけに多いのだ。
ワールドカップなんかに選手を送り出してるヨーロッパのナショナル
ユースチームを調べてみれば、その奇妙さは輪をかけて如実だ。
例えば最近のイングランドは10代の選手の半分が1〜3月生まれ。
ドイツだと52人が早生まれで、ラスト3ヶ月生まれはたった4人だ...

ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する

ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する

  • 作者: スティーヴン・レヴィット, スティーヴン・ダブナー
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2006/04/28
  • メディア: 単行本


『ヤバい経済学』って邦題はどーにもダサくてイヤだけど
〝Freakonomics〟は既に日本でもベストセラー。

ちなみに冒頭いきなり日本相撲界の八百長の統計分析で
始まるこの本、売上が百万部を突破した本国アメリカでも
「アメリカの犯罪率が下がった原因は中絶の合法化」って
結論が中絶反対を唱える宗教的保守派を怒らせたらしく、
シカゴじゃ高校生向け読書リストから外されたりしてる。

で、続きを読みてーと思ってたらThe New York Times
ワールドカップがらみの新ネタが。

    

タイトルがA Star Is Made:The Birth-Month Soccer Anomaly
「スターは作られる〜サッカーに見る誕生月の偏り」ってか?
所詮は意訳だ。誤訳だとか目くじら立てないように。

What might account for this anomaly? Here are a few guesses:
a) certain astrological signs confer superior soccer skills;
b) winter-born babies tend to have higher oxygen capacity,
 which increases soccer stamina;
c) soccer-mad parents are more likely to conceive children
  in springtime, at the annual peak of soccer mania;
d) none of the above.

この偏りは何を意味するんだ?とりあえず考えられる理由は…
a)占星術的に「早生まれ」はサッカーの才能がある。
b)冬に生まれた子は心肺機能が高く、スタミナがある。
c)熱狂的サッカーマニアの親はサッカーが一番盛り上がる
 春先に興奮して子供を作りたくなる。
d)上の3つ以外のその他。

さて正解は? 結論はこんな感じ。

Since youth sports are organized by age bracket, teams inevitably have a cutoff birth date. In the European youth soccer leagues, the cutoff date is Dec. 31. So when a coach is assessing two players in the same age bracket, one who happened to have been born in January and the other in December, the player born in January is likely to be bigger, stronger, more mature. Guess which player the coach is more likely to pick? He may be mistaking maturity for ability, but he is making his selection nonetheless. And once chosen, those January-born players are the ones who, year after year, receive the training, the deliberate practice and the feedback — to say nothing of the accompanying self-esteem — that will turn them into elites.

少年スポーツは学年ごとに区切られるから、必然的に
「何月何日生まれか」で所属する学年が決まる。
ヨーロッパのサッカーのユースチームだと分かれ目は
「12月31日」。でもってコーチが同じ学年に所属
する2人の選手を評価する時、「1月生まれ」の子は
「12月生まれ」のライバルより体格がデカかったり
成長がいい。コーチはどっちの選手を選ぶと思う?
つまり「成長のよさ」を「能力」と間違えてんだけど
それが決め手になっちゃったりする。でもって、一旦
「1月生まれ」が選ばれたら、それが後々まで続いて
一生懸命練習を繰り返す。言うまでもなくそのノリが
「自己評価=自信」につながる。それが「早生まれ」
の子供を「選ばれし者」にしていくのだぁ〜!!

で、ついでにこんなアドバイスも。

This may be bad news if you are a rabid soccer mom or dad whose child was born in the wrong month. But keep practicing: a child conceived on this Sunday in early May would probably be born by next February, giving you a considerably better chance of watching the 2030 World Cup from the family section.

子供をサッカー選手にしたかったのに「遅生まれ」で
産んじまった熱狂的サッカーファンのバカ親には悪い
ニュースに聞こえるかも。でも結局不断の努力が大事。
まだ5月も早々。今度の日曜(訳注:記事は5/7付)
に子供を仕込めば、来年の2月生まれだぞ!選手の親
として2030年のワールドカップを特等席で見れる
かも知れない絶好のチャンス!

ファンタジスタになれるかは「生まれた月」次第。
実に〝Freakonomics〟らしいクールな帰結だ。

…ってコトでこのまま話が終わりゃそりゃ楽だけど、
既にこの時点で気付いてる読者も多いのでは?

じゃあ「4月1日」が学年の区切りになってる日本は
どーなんだ?俺もその疑問がまず頭をもたげた。

事実、数日後〝Freakonomics〟のブログを覗くと…
〝Maybe the World Cup Wasn't the Best Example〟
「ワールドカップはベストなサンプルじゃなかったかも…」

実は記事を読んだ熱烈な〝Freakonomics〟ファンから
「ドイツだと少年サッカーチームの学年の区切りは8月。
 12月31日が区切りじゃねえ国もある」との指摘が。

多分、こんなコトになった背景には〝Freakonomics〟が
経済学者スティーブン・レヴィットとジャーナリストの
スティーブン・ダブナーの共著だってコトがある。

    

〝Freakonomics〟は経済学の本だけど数式は一切出ない。
ネタもポップでキャッチーなのが魅力。それは物書きの
ダブナーの力によるところが大きい。

    

レヴィットの発想が経済学的に、統計学的に正しくても
キャッチーなネタじゃなきゃ読者の興味は惹かないと、
ダブナーはわかってたハズ。
そんな2人の綱渡りに落とし穴があったって感じかな?

しかし〝Freakonomics〟は立ち直りも早い。

    

「ワールドカップ」だと全てを説明するのは無理があるが
アメリカとカナダの選手が大半を占める(年齢の区切りが
12月31日ってコトなのか?)の「NHL」ならどーだ?
と持ち出してきたのがこのグラフ。

確かにコレを見れば1〜3月生まれが圧倒的に多い。
でもって日本はどーなのか?
試しに日本のスポーツ選手の誕生日を調べてる統計が
あるか調べてみたら、こんなHPを発見。

    

何とプロ野球もJリーグも4〜7月生まれが圧倒的に
多いらしい。(コレが本当の統計なのかイマイチよく
わからねーので興味あるヤツは誰か調べやがれ!)

でも、だとすると、また別の疑問が頭をもたげてくる。
スポーツがそーだとしたら、学歴もそーじゃねーのか?

脳の発育具合だって、ガキの頃の数ヶ月の差はデカい。
スポーツ選手の「自信」の差が誕生日に左右されるなら
学歴もそーだと考えるのが全うではないのか?

ちなみに俺は4月11日生まれ。
よくよく思い出してみると、俺も幼稚園の時、出席番号
は「誕生日順」で「お兄さん」扱いされてた気がする。

ついでに言うと、俺のお袋は俺が「2月末の出産」だと
産婦人科で宣告されてたのだが、どーゆーワケなのか、
俺が腹から「出渋って」、1ヶ月以上ずれこんだらしい。

    

東大入れたのもそのおかげってコトなのか?
が、しかし! さらに頭を悩ます疑問もある。

大学在籍時、こんな〝都市伝説〟を聞いた覚えが。
「エリート官僚の子供はやたら10月生まれが多い」と…

実はこの「都市伝説」は、統計上見られる相関関係よりも
ある意味、わかりやすい因果関係が先にありきの結論だ。

①エリート官僚は大変な激務。
②だから子供を仕込むチャンスが正月3が日しかない。
③結果として子供は「10月生まれ」 …というオチ。

それを「東大っぽい笑い話」としておくのはたやすい。
でも在学当時、親父が官僚の知り合いに誕生日を聞いたら
現実に「10月生まれ」が多かったのも覚えている。

しかもそこには「誕生日のタイミングが人間を左右する」
〝Freakonomics〟の仮説を打ち消す可能性を孕んでる。

「カエルの子はカエル」の言葉通り、東大卒エリート官僚
の子が東大に入るケースは極めてありがちである。
しかも別に東大に限らず、弁護士であれ民間企業であれ、
大抵の高学歴エリートは社会人になりゃ「激務」だ。

だとすると、高学歴エリートの子供が「10月生まれ」に
なる可能性は必然的に高い。この手の調査ができるのかは
よくわからんが、統計上無視できぬほど「10月生まれ」
の高学歴エリートがいるとすれば…?

仮にこれが事実だった場合、こと「学歴」に関しては、
誕生日より遺伝的誘因や環境的誘因(学歴格差社会とか)
或いはその双方が働いている可能性も考えられるのだ。

こーなると、もはや俺の思考の範疇を越えている。
統計的な数字は時に世の中の仕組みを的確に映し出す。
だがそれは、同時にさらなる謎も突きつける…


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